FC2ブログ

10 | 2018/11 | 12

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あの日の教室で ふたつ。 


 夜中にふと二話の出だし部分を思い立ったので
 書きながら考えてかいてました
 Pcは使えなかったので携帯のメモ帳活用
 実に6000文字つまりは3000文字も書いていたので
 一時間半もかかっちまいました(汗

 まぁこうやった更新頻度も稀なので
 どうせ飽き性ですし飽きるまでお付き合いお願いします

 第三話は日常回できたらいいなぁ、なんて

 
 本編は 続きを読む からどうぞ



あの日の教室 ふたつ。

 『ぇ・・・ゆきねぇ?』
 そこには・・・・トイレの花子さんではなく
 懐かしい
 三年前にこの高校での事故で死んだ
 俺の'姉'が立っていた 

 俺は姉の名前を呟いたあと言葉に詰まってしまった
 このトイレの花子さんは俺の名前を呼び姉の姿をしていた
 何故ここにいるのか何故幽霊となり今も彷徨っているのか
 あまりに突然のことにより思考が止まってしまいそうだ
 それは花子さんも同じのようで名前を呼んだあとは黙りこくってしまった
 しばらく場は沈黙に支配されていた
 その沈黙を破ったのは意外にも千瀬だった
 「少年。トイレの花子さんに知り合いでもいたのか?」
 先ほどのような浮ついた雰囲気は消えており、いつもの冷静で落ち着いた口調にもどっていた

 しかし問われたことに反応すらせずただただ確かめるように言った
 『ゆきねぇ・・・なのか?』
 未だに心は落ち着かず動悸がとまらない。半信半疑で聞いていた
 すると花子さんはゆっくりと微笑みながら
 【そうだよ。あなたの姉の雪だよ・・・久しぶり秋ちゃん】
 今にも泣きそうにもみえる顔
 懐かしい声、懐かしい顔、あの日見送ったままの姿の俺の姉。雪が目の前にいた
 夏がはじまる少し前、丑三つ時の旧校舎で
 実に三年ぶりの会えると思えるはずもない人と俺は出会えた

 だが感動の再開を断つように千瀬が質問を繰り返す
 「で、少年。花子さんは少年の姉だったというオチか?」
 オチ言うな
 『あぁまぎれもない俺の姉だ。ゆきねぇだ』
 声が震えてしまうほど喜びが抑えてはいられなかった
 感動の再開といきたいところだが場所が悪い
 『ゆきねぇこんな場所じゃなんだから寮に帰ってじっくり話そうよ』
 【うんそうだよね】
 「姉か・・・兄弟なら安心だな。全くあせらすんじゃないの・・・」
 帰り際、千瀬がなにかブツブツと呟いていたが風に流され聞き取れなかった


――赤城高校寮――

 警備員もいない少し不安になる設備を通り過ぎ寮へと俺たちは戻った
 寮につくまでに聞きたいことをできるだけ絞り整理した
 とりあえず一番聞かなきゃいけないのはふたつ。
 『じゃぁ、ゆきねぇ。いくつか聞きたいことがある』
 わざとらしく真剣な雰囲気で言ってみる もちろん少し悪ふざけが入っている
 あまりに真剣に話をすると言葉に詰まりそうだったからだ
 【まずは何から聞きたいかな】
 俺が真剣を装ってに言っているのをよそに千瀬はクスクスと笑っている
 「いくらなんでも少年にはそれは似合わないよ」
 まるっきり見透かされている。いいじゃないかたまにはキリッと決めたいときだってある
 
 『まずひとつめなんだけど
  なんでトイレの花子さんじみたことをしていたの?』
 一番真っ先に浮かんだ疑問でだった
 【それは・・・】
 少し間が空いたが。口元が緩んでいるのを俺は見逃さなかった
 【イタズラって楽しいじゃない?秋ちゃん】
 途端に張り詰めた雰囲気が崩れた。返答の感じはわかっていたけど
 この通りゆきねぇは元々このようなイタズラが好きな人だった
 物静かなときもあるのだがギャップがなによりひどい
 『なんでイタズラなんて・・・』
 あきれつつも聞いてみる
 【だって女の子の悲鳴ってなかなかかわいいじゃない?】
 至極まじめに聞こえたのに内容はふざけている
 
 『そんな理由で人を怖がらせていたの・・・』
 深いため息がでた
 『怖がっている人もいるんだから今すぐやめなさい』
 強く言った。そうでなければそうそうやめなさそうだったからだ
 【えぇでも私女の子が好きだからなかなかやめられるものでもないっていうか
  あ、秋ちゃんと一緒にいるその人も黒髪が素敵だしかわいいよねぇ】
 なにやら邪な目もかいまみえる
 突如ブッと話に置いてきぼりになっていた千瀬がふきだした
 「な、なななな女が女を好きだなんて聞いたときがないぞっ!?」
 いきなり大胆カミングアウトのあとに一瞬ねらわれたように瞳をむけられ
 気が動転してしまっている。いつものクールビューティーはどうした
 ちなみに俺はこのことを知っていた。遺品整理の際にこの手の本やらが色々と大量に出てきたのだから
 少し遠い目をしていた俺を尻目にゆきねぇはなぜかえへへと照れていた。いや照れるところないから
 
 まぁ千瀬はこういうことに関しては無知っぽいからなぁと思っていたら
 ボカッと千瀬に頭を殴られた
 ・・・殴られた?ふと当たり前のような疑問が浮かんだ
 『幽霊なのに触れるんだな・・・』
 ほぼ独り言に近かったがちゃんと千瀬は言葉を拾ってくれた
 「そうだ。こちらから意思があれば触れるぞ
  まぁそちらからは意思など関係なしに何も触れないのだがな」
 当たり前のように言いやがる
 俺が思っていた幽霊に対することが次々と崩れていきそうだ
 『あぁだからゆきねぇはノックや扉を開いたりできていたのか』
 【そうだよっ。一度だけ女の子に触ってみることにもチャレンジしたんだけど】
 チャレンジしなくていいから
 【なんかキモイキモイ連呼されて凹んじゃった】
 そりゃそうだいきなり正体不明のなにかに突然触られたら気持ち悪すぎる
 それと姉に向かってなんだが一度逮捕されたほうがいいんじゃないか。スケベ親父かよ
 あ、しまった幽霊はこちらから触れない。魔法瓶にでも封印したいものだ
 
 そこでまた新たな疑問がわく
 『触れるのに姿は見せられないのか?』
 フフンッとどや顔で千瀬が解説をしはじめた
 どうやら解説をするのが好きらしい
 「姿も同様にこちらからの意思があれば見せられるのだが・・・」
 『だが?』
 「一度姿を認識されてしまうと意思の関係なしに常時姿を見られてしまうのだ
  まさに今の状態というわけさ 
  と言ってもこちらから無理にでも姿を見せられなくするすべもあるのだが」
 『でも千瀬はあの日、俺に意思があって姿を見せたわけじゃないだろう?』
 あの日は偶然C-Aクラスに忘れ物をとりに行った際に偶然目撃したのだ
 「あぁその通りだ。あの時は昔のことに思いをはせていたのでな
  正直なところ油断していた。気が緩んでいたのだ
  気が緩んでいると稀にだが姿をみられてしまう時もあるらしい」
 『なるほどなぁ』
 っと話がそれていることに今更気づき話を戻そうとする
 『話がそれたね。えーとどこまで話したっけ』
 
 【私が女の子を好きってところまでだよ】
 やはりなれないな身内に特殊性癖がいるというのは
 『まぁその話は置いといてふたつめの・・・』
 言いかけたとき上からかぶせるようにゆきねぇの言葉が発せられた
 【秋ちゃん!私がどれだけ女の子のことを愛しているのか知らないようだね!】
 知りたくもない
 【いい女の子というのはね・・・うんたらかんたら】
 このままだと日が昇ってしまいそうなので適当に話を切り上げさせて
 ほっておくと死ぬまで話していそうだ。あぁ死んでいたんだったな
 『それでふたつめの質問なんだけど』
 【ん・・・】
 急に静かになったな。上げ下げが激しい姉だ
 『なんでゆきねえは'ここ'にいるの?』
 【それはね・・・まだ未練が・・・あるからなんだよ】
 未練があるのは当然だ
 生前に未練が残り成仏できずに留まるのが幽霊なのだから
 『未練ってのは?協力するけど』
 姉にははやく成仏してほしい。さまよってなどいてほしくない
 それに永い間幽霊として過ごすとどうなるのかもわからないが
 千瀬のような冷静沈着冷血女などになってほしくはないしな
 ドスッと千瀬の足が頭の上にのせられた。・・・重い
 「なにか言ったか?なにか」
 あぁ笑顔がこわい。これからは迂闊な発言は注意しようそうしよう
 
 長い間をあけて
 【私の未練はそりゃぁ突然の事故で急に死んじゃったのもあるけど】
 ゆきねぇは三年前の赤城高校補強工事の際の作業員の不備による事故にまきこまれ・・・
 週末は帰ってきていたゆきねぇを見送った月曜日
 笑顔でいつもどおりに出かけていくゆきねぇをみたのはそれが最後だった
 突然死んで未練がないというやつは少ないだろう
 言葉を区切って
 【一番は秋ちゃんが誰かと幸せにいてくれることかな】
 こういう言葉は心底うれしい、が
 確かにそれもあるとは思う・・・だけど違う・・・。
 ゆきねぇは普段から人のために尽くしてきた人だった
 自分優先ではなく他人優先
 そんな生き方をしていたから幽霊になってひとりになり自由になったゆきねぇは
 自分の好きなイタズラや自分のための生き方をしたいんじゃないだろうか
 これは俺の勝手な妄想だし当たっているとも限らないが
 少しでもゆきねぇの成仏につながるならなんでもする・・・とひとり誓った

 『わかったよ。いい人みつけて幸せになったら成仏しよな』
 最高の笑顔をみせて【うん】と返事をしたゆきねぇ
 「私がいるだろうに・・・」
 小さい声で呟いたつもりだろうがあいにく先ほどと違いここは狭い部屋だ
 一字一句ハッキリと聞き取れた
 『冗談にしては笑えないぞ千瀬』
 若干引き気味で言ってやると
 千瀬は俺に足蹴りをあびて「散歩してくる!」と言い残し部屋を出て行ってしまった
 どうしたというのだ全く
 【秋ちゃんは女心が分かってないねぇ。まだまだおこちゃまなんだねぇ】
  としたり顔で言ってきたので今度は俺がすねてやった
 少ししたらあせった顔で【ごめん秋ちゃんごめんってばぁ】と繰り返していたが無視した

 『今夜はいつになく疲れたなぁもう寝るよおやすみ。ゆきねぇ・・・と千瀬』
 窓の外でフンッという声が聞こえた気がした
 【おやすみ秋ちゃん
  幽霊は寝れないから千瀬さんに女の子の素晴らしさを説いてくるよ】
 おまえはどこぞの宣教師か
 千瀬がノイローゼにならないことを祈りながら眠りにおちていった

 まだ千瀬に出会ってから一ヶ月と経たない日だった

 
――翌朝――

 いつもどおり朝一番に俺を起こした千瀬が放った一言は
 「女の子って素晴らしいな!!」
 これは一大事だ


 

コメント

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://mutekinotikara.blog23.fc2.com/tb.php/319-1a73806c

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。